ここで解説する XMATCH関数 は、Office InsiderのProPlusに追加された関数です。執筆時点(2019年8月)で、製品版のExcelにはまだ実装されていません。ただし、Microsoftがこの関数を実装すると公にアナウンスしたのは、2019年の8月28日です。おそらく現在は、さまざまな動作検証をしたり、細かい修正などを行っているところでしょうけど、近い将来Excelに実装されるのは間違いありません。そうなったら、もうExcelの使い方が大きく変わります。そんな画期的な関数です。なお、Office Insiderに関しては、ご自身でググってください。また、この関数では「スピル」という機能が使われています。スピルに関しては「Excel 2016レビュー[Excelの使い方が激変する「スピル」]」をご覧ください。
従来のMATCH関数は、指定したセル範囲内で、検索したいセルが何番目にあるかを返す関数です。XMATCH関数は、そのMATCH関数の拡張版です。VLOOKUP関数の拡張版としてXLOOKUP関数が追加されたので、一緒に作られたのでしょうね。XMATCH関数による検索は、XLOOKUP関数の検索と同じです。
指定できる引数もXLOOKUP関数とほぼ同じです。「戻り配列」がないだけです。引数「検索値」には、探す値を指定します。"田中"とか"100"などです。引数「検索範囲」には検索する範囲を指定します。引数「一致モード」と引数「検索モード」はXLOOKUP関数と同じです。詳しくは「XLOOKUP関数」をご覧ください。
【引数「一致モード」】
数値 | 動作 |
---|---|
0 | 完全一致(規定値) |
-1 | 見つからないとき次に小さい値 |
1 | 見つからないとき次に大きい値 |
2 | ワイルドカードによる検索 |
【引数「検索モード」】
数値 | 検索の方法 |
---|---|
1 | 先頭から末尾へ検索(既定値) |
-1 | 末尾から先頭へ検索 |
2 | バイナリ検索(昇順で並べられているとき) |
-2 | バイナリ検索(降順で並べられているとき) |
ちょっと、やってみましょう。まずは簡単なケースから。
何も指定しないと、完全一致で検索します。
引数「一致モード」を指定してみます。
ついでに引数「検索モード」も。
以上です。
テンション低くてすみません。だって、XLOOKUP関数と同じだし、それに、XLOOKUP関数がすごすぎて、もう MATCH + INDEX する必要もないのではないかと。だったら、せっかくですけど、このXMATCH関数も使う機会が少ないのではないかなぁ~って思います。何か、XMATCH関数ならではの便利な使い方を思いついたら、そのうち追記します。