さよなら、冴子先生


オフィスアシスタントは、Office 97で追加された斬新なヘルプシステムで、自然な日本語で質問すれば適切なヘルプを検索して表示してくれるという画期的な機能でした。堅苦しいヘルプの深海をさまようこともなく「罫線を消すには?」「文字を赤字にしたい」など普通の言葉で質問できるのが特徴。こちらから質問するだけでなく、実際に行った操作に対して「右クリックすると簡単なメニューが出るよ」など、突然ワンポイントアドバイスを教えてくれたりもしました。Office 97をインストールすると、標準でこのオフィスアシスタントが表示される設定になっていました。

当時としては最新のテクノロジーを駆使して搭載されたオフィスアシスタントでしたが、ユーザーからは手痛い酷評を受けました。ヘルプの検索では望む答が返ってこないんです。下手な質問をすると「意味がわからない」と逆ギレされたり、簡単な質問をすると山のようなトピックを示してくれます。これなら自分でヘルプ内を探した方がよほどマシです。何よりも邪魔でした。ただでさえ狭い画面にいつも鎮座し、ときおり見せるアクビのアニメーションなどは、ユニークというよりイライラを増長させた感も否めません。ユーザーがオフィスアシスタントに問い合わせした最も多い質問は「オフィスアシスタントの消し方」だったというジョークもあるほどです。ついにOffice XPからは、標準ではオフィスアシスタントが登場しない設定になりました。

そしてとうとう、Office 2007ではオフィスアシスタントという機能自体が削除されてしまいました。もう冴子先生に会うことはできません。それはそれで、少しだけ寂しい気もします。ここだけの話ですが、何年か前、世界中のMVPがMicrosoft本社に集まるMVP Global Summitで次期Officeの仕様が発表されました。その中で「次のOfficeではオフィスアシスタント機能を削除する」と発表されると、次の瞬間、世界中のOffice系MVPから歓喜と拍手の嵐が送られました。全世界で嫌われていたんですね(^^;>オフィスアシスタント